ドリアン助川作、あん

 1番最初は映画、2番は助川氏の講演、そして今度は原作の本を読んだ。全部に違うところと、勿論共通するところの方が多いけれど。三つをあわせてわかるところもあった気がする。

 病気が治って外に出ていける法案ができてからも今更もう外で暮らせない、外出してすら疲れ果てるということや、名前も故郷も捨てざるを得ない。結婚を許されても、男性側の断種手術が、医者でもない職員でなされていて、酷い環境で、妻だけが数人で同室にいて、夫たちが夜にそこを訪れるという形の結婚。夫の手術の失敗か、その妻たちの部屋にいく不届き者がいたのか妊娠した彼女を詰る声に耐えきれず発狂する女性もいたとか。

 子ども時代に感染して、後に発症する人たちは、学校にも行けず、やっとここでならとなった時の移動は、夜中の貨物に外に出られないようにしてとか。

 神経の末端の病だから、指先や鼻が落ちる。目も見えなくなる。勉強するには、最後に残る舌を使って点字を読むとか。

 ドリアン助川さんが、色弱ということで望む仕事にはことごとくはねられ、その後様々な仕事に就きながら、もうこのあとどうしようかと思いながらのライブに来ていた、ハンセン病元患者さんと出会えて、積年の思いが実ったこと。しかし、小説の形になるまでの長い日々と、壁。そして、映画になるまでのこと。その後のこと。

 まだまだあるけど。また、どこかの機会に。

 1月23日には、助川さんと元患者さんとの対談の会に参加予定。