映画 こんな夜更けにバナナかよ

 僕の夢はね、アメリカに行くこと、障害者活動家の友達に会いたいから、英語も勉強してるんだ。

 迷ってたり、落ち込んでるボランティアのところに訪ねて行って、君は何がしたいのどうなりたいのとまっすぐに問いかける。

 本当は先生になりたくて教育大を受けたけど落ちて今フリーターかっこ悪いでしょというボランティア女性に、じゃあ今からなればいいじゃん、俺が英検二級受かるより楽勝でしょと語る。

 あのイチロー氏が、地元の野球少年たちに、夢を持ちなさい、こうなりたいと思ったら、できることもある、できないこともある。けれど、こうなりたいと思わなければ、絶対になれないと語ってるニュースを見た。

 自分が夢を見てそれに向かって努力してる姿が、周りの人にも夢を見させて実現に向かわせるから、素敵なのだと改めて思う年末。かなり年取ってしまった私は、さてどんな夢を見るのか。

妊婦VSばばあ

 優先席が空いていたので、ばばあはすかさず座った。しかし、妊婦が目の前に立ってる。ばばあは席を譲るべきか、悩むこと2分。少子化時代に産んでくださる妊婦様の方が尊い、よし譲ろうと膨らんだお腹の持ち主のお顔を見上げたら、あらら、ばばあと言うほどではないけれど、妊婦となるにはお年を召されている。あー、良かった。席を譲ると申し上げていたら、何でやねんとお叱りをくらっていたかも。その後は目をつぶってひたすら居眠りのポーズで、目的の駅まで。

ドリアン助川作、あん

 1番最初は映画、2番は助川氏の講演、そして今度は原作の本を読んだ。全部に違うところと、勿論共通するところの方が多いけれど。三つをあわせてわかるところもあった気がする。

 病気が治って外に出ていける法案ができてからも今更もう外で暮らせない、外出してすら疲れ果てるということや、名前も故郷も捨てざるを得ない。結婚を許されても、男性側の断種手術が、医者でもない職員でなされていて、酷い環境で、妻だけが数人で同室にいて、夫たちが夜にそこを訪れるという形の結婚。夫の手術の失敗か、その妻たちの部屋にいく不届き者がいたのか妊娠した彼女を詰る声に耐えきれず発狂する女性もいたとか。

 子ども時代に感染して、後に発症する人たちは、学校にも行けず、やっとここでならとなった時の移動は、夜中の貨物に外に出られないようにしてとか。

 神経の末端の病だから、指先や鼻が落ちる。目も見えなくなる。勉強するには、最後に残る舌を使って点字を読むとか。

 ドリアン助川さんが、色弱ということで望む仕事にはことごとくはねられ、その後様々な仕事に就きながら、もうこのあとどうしようかと思いながらのライブに来ていた、ハンセン病元患者さんと出会えて、積年の思いが実ったこと。しかし、小説の形になるまでの長い日々と、壁。そして、映画になるまでのこと。その後のこと。

 まだまだあるけど。また、どこかの機会に。

 1月23日には、助川さんと元患者さんとの対談の会に参加予定。

映画 太陽がいっぱい

 京都シネマで、フランスの名作シリーズ。古い作品を4kで。今回はアランドロンの。随分前に一度観て、ワクワクドキドキしながら、バレないか、このあとどうなっていくのかと、トムと一緒にハラハラした挙句の結末。

 今日、再度観てあの音楽と、抜けるような青空と海の青さ、そしてトム役のアランドロンの美貌があんなにもあの映画を印象的にしたのかと思った。パシリのような扱いを受ける、邪魔者扱いされて傷つく中で殺意を醸成していく。自分の立ち回りのうまさや頭の良さを鼻にかけて、犯罪を重ねていく。フリップの自殺の偽装もうまくいき、その恋人も自分のものになり、彼の船も買い手がつき、もうこれで自分の人生は順風満帆と満足そのもので太陽の下で酒を飲むトム。別の場面では海に捨てたはずのフリップの死体が、なぜか売りに出した船に曳航されていたのが発見され、フリップの恋人であった彼女の悲鳴で、終わる。うまいなあ。こんなのが、会員価格500円で見せてもらえてありがたい。

講演会二つ

9日に落合恵子さんの、13日にドリアン助川さんの講演会に参加した。共に作家で、以前はラジオ番組でキャスターとして活躍。落合さんはクレヨンハウスという本屋の主宰でもある。ドリアンさんはハンセン病元患者に扮する樹木希林さんの映画、あんの原作者でもある。

お二人の講演の共通点は、理不尽に対する怒り、差別への鋭い感受性。それをそれぞれの表現で世に問う活動を続けでいること。だから、かっこいいのだ、魅力的だのだと感じた。そんな人たちの発言や活動が世の中という掴み所のないものを少しだけ、良いところに変えていくのかもしれない。こんなのおかしい、こんな不合理は許せないと感じて、言っていくことは、そんなに楽なことではない。それでもやれることをちょっとずつでもやらないとという勇気を貰えた二講演であった。

映画 カメラを止めるな

先日もチケットを買おうとしたが、ソルドアウトで、今日再び。3時過ぎのを目指して券売機に向かうも、アウト。5時過ぎにちらほら空席があったので購入して、2時間待ち。アクセサリーを作らせてくれるところで友達の誕生祝いを。パーツを買って組み合わせて。1時間半で何点か作って店員さんに点検してもらって。

映画によっては5、6人で観ることもあるが今日は込み込み。評判通り、なかなかに面白くて、たくさん笑えた。多分、映画やドラマなど作る人には、あるあるなんだろうと思えた。観客が、口々に面白かったなぁと言いながら出て来るのも嬉しかった。

コンビニ人間

人は働いて稼ぐ、できれば正社員で。そして、結婚して、できれば子どもを産む。のが、良い、幸せ、当たり前。そこから外れると、不幸?変?おかしい?という周りからの圧力、もっとスタンダードが他にもあって、ひどく狭い範囲であらねばの枷のしんどさを見せてくれる小説。面白かった。